お中元・お歳暮の断り方!失礼にならない丁寧な文例と注意点

例文

お中元やお歳暮をいただいたとき、「ありがたいけれど、これからは丁重にお断りしたい」と感じることはありませんか。

特に上司や取引先など目上の方が相手の場合、言い方ひとつで印象が大きく変わるため、慎重に伝える必要があります。

この記事では、お中元・お歳暮を失礼なく断るためのマナー・文例・注意点を分かりやすく解説します。

会社の規定による辞退から、親戚や知人へのやわらかな伝え方まで、状況別に例文を紹介。

相手に感謝を伝えながら、気持ちよく「お気遣いなく」と伝える方法を、今すぐマスターしましょう。

「お中元やお歳暮を断るのは失礼では?」と感じる方も多いですよね。

ですが、実際には断ること自体がマナー違反になることはありません。

この章では、失礼にならない断り方の考え方と、伝え方の基本ポイントを解説します。

そもそも「断ること」はマナー違反ではない

お中元やお歳暮は「日頃の感謝を伝える」ための文化です。

そのため、断ることが失礼になるのではなく、むしろ無理に受け取ってしまう方が関係をこじらせてしまう場合もあります。

断る=感謝を伝えながら丁寧に辞退することが、もっとも誠実な対応とされています。

特に会社のルールや立場の関係で受け取れない場合は、きちんと理由を添えることで相手にも理解してもらいやすくなります。

対応の考え方 ポイント
マナー違反ではない 感謝を前提に伝える
誠実さを示す 「ご厚意に感謝しております」を添える
関係性を保つ 今後も良いお付き合いを願う言葉を入れる

丁寧に伝えるための3つの心得

お中元やお歳暮を断る際は、感謝・理由・今後の関係性の3点を意識することが大切です。

  • 感謝を伝える:「いつもありがとうございます」で始める
  • 理由を添える:「会社の方針で」「お気持ちだけで十分です」など
  • 関係を大切にする言葉を加える:「これからもどうぞよろしくお願いいたします」

特に「断る理由」だけを強調すると冷たく感じられるため注意が必要です。

心得 良い例 悪い例
感謝 「ご丁寧なお心遣いをありがとうございます」 「送らなくて大丈夫です」
理由 「社内規定により」 「もらっても困るので」
関係性 「今後ともよろしくお願いいたします」 「もう結構です」

断りのタイミングと連絡手段の選び方

断るタイミングは、「受け取ったあとに感謝とともに伝える」のが最も自然です。

受け取る前に伝える場合は、表現に十分注意しましょう。

また、伝える手段によって印象も変わります。

手段 特徴 おすすめのケース
手紙・はがき 丁寧で正式な印象 目上の方や取引先
メール 迅速で形式的にまとめやすい ビジネス上のやり取り
口頭(電話・対面) 柔らかく気持ちを伝えやすい 親しい間柄や家族

どの手段でも共通するのは「感謝を最初に、辞退を後に」伝える順番です。

この基本を守ることで、角を立てずに自然に気持ちを伝えることができます。

お中元やお歳暮をお断りする際は、状況に応じて文面を変えることが大切です。

同じ「断る」でも、会社の規定によるものなのか、関係性を大切にしたいからなのかで、表現のトーンが変わります。

この章では、ビジネスでもプライベートでも使える丁寧な断り文例を紹介します。

会社の規定で受け取れない場合の文例(メール・手紙)

会社や組織に所属している場合、贈答品を受け取れないケースがあります。

その際は、理由を明確に伝えることで誤解を防ぎ、相手にも安心してもらえます。

メール文例:

件名:お中元(またはお歳暮)のご厚志に関するお礼とお願い

――――――――――――――――――――――――――――――

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

平素より大変お世話になっております。
このたびはご丁寧なお心遣いをいただき、誠にありがとうございます。

恐縮ではございますが、弊社の規定により贈答品の受け取りを控えております。

どうか今後はお気遣いなさらぬようお願い申し上げます。

今後とも変わらぬお付き合いを賜りますようお願い申し上げます。

――――――――――――――――――――――――――――――

ポイント 理由
会社の規定を理由にする 相手が納得しやすく、角が立たない
「お気遣いなさらぬよう」で締める やわらかく丁寧に伝えられる

今後の関係性に配慮して辞退する場合の文例

「お気持ちはうれしいけれど、今後はお気遣いなく」というニュアンスを伝えるのがポイントです。

このような場合は、感謝とともに相手の厚意を尊重する表現を使いましょう。

メール文例:

いつも大変お世話になっております。
このたびはご丁寧なお心遣いをいただき、誠にありがとうございます。

恐縮ではございますが、今後はどうぞご無理のないようお願い申し上げます。

お気持ちだけでも十分にありがたく思っております。

引き続き、末永いお付き合いをお願いいたします。

トーン 意図
柔らかく・温かく 関係を大切にしていることを示す
「お気持ちだけで十分」 相手に拒絶された印象を与えない

一度だけ受け取った後にお断りしたいときの例文

一度いただいたあとで今後を辞退する場合は、「感謝を強調する」ことがとても大切です。

過去の贈り物を否定するような言い方は避けましょう。

メール文例:

いつもお心遣いをいただき、心より感謝申し上げます。
毎年お気にかけていただき、大変ありがたく存じております。

恐縮ではございますが、今後はどうぞお気持ちだけ頂戴できますと幸いです。

今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。

ポイント 注意点
「これまでのご厚意に感謝」 これまでの贈り物を否定しない
「お気持ちだけ頂戴」 断りながらも感謝を伝える
「今後ともよろしく」 関係性維持を印象づける

状況に合わせて言葉を選ぶことで、丁寧かつ印象の良い断り方ができます。

お中元やお歳暮を断るときは、相手との関係によって伝え方を変えることが大切です。

同じ「断り」でも、上司や取引先、親戚など、相手の立場や距離感によって最適な言葉遣いは異なります。

ここでは、関係性ごとに角が立たない断り方を、具体的な文例とともに紹介します。

上司・目上の方にお断りする場合の言い回し

上司や目上の方へのお断りは、最も慎重に言葉を選ぶ必要があります。

基本は、感謝を丁寧に伝えつつ「恐縮」「ご厚意」などの敬語をしっかり使うことです。

メール文例:

〇〇様

いつも格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
このたびは心のこもったお品をいただき、厚く御礼申し上げます。

大変恐縮ではございますが、今後はどうかご無理なさらぬようお願い申し上げます。

お気持ちだけでも十分にありがたく思っております。

ポイント 説明
「厚く御礼申し上げます」 敬意をしっかり示せる
「ご無理なさらぬよう」 柔らかく辞退の意を伝える
「お気持ちだけで十分」 相手の厚意を尊重

取引先・顧客に対して角を立てない断り文

取引先や顧客への断り方は、信頼関係を損なわないことが最重要です。

社内規定や会社の方針を理由にすると、個人の感情ではないことが伝わり、ビジネス上もスムーズに受け止めてもらえます。

ビジネスメール文例:

件名:お中元(お歳暮)のご厚志に関するお礼とお願い

〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
このたびはご丁寧なお心遣いをいただき、誠にありがとうございます。

恐れ入りますが、弊社の社内規定により贈答品の受け取りを控えております。

誠に勝手ながら、今後はお気遣いなさらぬようお願い申し上げます。

引き続き、変わらぬご厚情を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

表現の工夫 効果
会社の規定を理由にする 個人間の気まずさを避けられる
「今後もよろしくお願いいたします」 関係継続を前向きに示す
「誠に勝手ながら」 柔らかく断る印象を与える

親戚・家族間でやわらかく断るときのコツ

親戚や家族など、親しい間柄では堅苦しい言葉よりも、あたたかみのある言葉を使うのがポイントです。

気持ちはありがたく受け取りつつ、「これからはお気遣いなく」という思いをやさしく伝えましょう。

LINE・手紙文例:

いつもお気遣い本当にありがとうございます。
毎年ありがたく頂いておりましたが、今後はお気持ちだけで十分です。

どうぞご放念くださいね。
これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いします。

トーン ポイント
やさしく・自然体 堅苦しすぎない言葉を選ぶ
感謝を最初に伝える 相手の気持ちを尊重
「これからもよろしく」 関係を円満に保つ

相手に合わせた言葉選びが、丁寧さと誠実さを伝えるカギです。

どんなに丁寧なつもりでも、言い回しひとつで相手を不快にさせてしまうことがあります。

特にお中元やお歳暮のような「心を込めた贈り物」に対しては、断り方を誤ると関係がぎくしゃくしてしまうことも。

この章では、断るときに避けたい言葉や注意すべきポイントを整理してご紹介します。

避けるべきフレーズ一覧

以下のような表現は、相手の厚意を否定する印象を与えやすいので避けましょう。

NG表現 理由 代替表現(おすすめ)
「もう送らなくて大丈夫です」 命令的に聞こえる 「今後はどうぞお気遣いなさらぬようお願いいたします」
「必要ありません」 感謝が伝わらない 「お気持ちだけで十分にありがたく思っております」
「もらっても困るので」 ストレートすぎて失礼 「社内規定により受け取れず恐縮しております」
「そういうやりとりは避けています」 冷たく距離を取る印象 「今後はお気持ちだけ頂戴できれば幸いです」

ポイントは、相手の厚意を否定しない言い方にすること。

断るときでも「ありがとう」という感謝を最初に伝えることで、印象は大きく変わります。

「断りたいのに言いにくい」ときの対処法

「せっかくのご厚意を無下にしたくない」と感じる方も多いですよね。

そんなときは、理由を「自分都合」ではなく「制度やルール」に置き換えると伝えやすくなります。

  • 「社内の規定により」
  • 「皆さまに平等に対応させていただいております」
  • 「お気遣いに恐縮しております」

このように伝えると、相手も「個人的に断られた」とは感じにくくなります。

断る=関係を終わらせることではなく、丁寧に線を引くことと意識するのがポイントです。

状況 おすすめの伝え方
毎年いただいている相手 「お気遣いを頂戴しながら恐縮しております。どうぞご放念ください。」
取引先など形式的な関係 「弊社の規定により、今後はご遠慮申し上げております。」
親しい関係の相手 「これからはお気持ちだけでうれしいです。」

断り方を誤ると関係が悪化するケース

誤解を生みやすいのは、「感謝を省略してしまう」ケースです。

相手は好意を持って贈っているため、受け取りを拒否されると「迷惑だったのかも」と感じてしまいます。

  • 感謝 → 辞退 → 今後のお願い の順番を守る
  • 短すぎるメールや返信は避ける(簡素にしすぎない)
  • 句読点や改行を使って柔らかく見せる

とくにビジネスメールでは、短文すぎる返信がそっけない印象を与えがちです。

少し長めでも、ていねいに感謝を伝えた方が結果的に関係は良好になります。

断るときこそ、言葉に「温度」を持たせることが信頼を守る鍵です。

ここまで、お中元やお歳暮をお断りするときのマナーや文例を見てきました。

最後に、相手に気持ちよく受け止めてもらえる断り方のポイントを整理しましょう。

「断る」ことは、決して関係を絶つことではありません。 むしろ誠意をもって伝えることで、相手との信頼関係をより良い形で保つことができます。

断るときの3つの基本

お中元やお歳暮を辞退するときに大切なのは、次の3点です。

ポイント 説明
① 感謝を最初に伝える 「ご丁寧なお心遣いをありがとうございます」など、相手の厚意を尊重する姿勢を示す。
② 理由をやわらかく伝える 「社内規定により」「お気持ちだけで十分です」など、冷たく聞こえない言い方にする。
③ 今後も良い関係を願う一言を添える 「これからもどうぞよろしくお願いいたします」で関係継続を印象づける。

この3点を押さえるだけで、相手に不快感を与えずに丁寧に辞退できます。

断ることは「誠実さ」を伝えるチャンス

お中元やお歳暮を断る行為は、一見気まずく感じられますが、実は信頼を深めるチャンスでもあります。

「お互いに気を遣わず、長く良い関係を続けたい」という思いを込めて伝えれば、相手も理解してくれるでしょう。

伝え方の方向性 印象
感謝+丁寧な断り 誠実で感じが良い
理由だけの断り 冷たく聞こえる
曖昧な返事 かえって誤解を招く

大切なのは、「断る勇気」よりも「伝える思いやり」です。

感謝と誠実さをもって伝えれば、断ることもまた良いマナーのひとつになります。

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